
コラム
AI面接は、採点の仕組みを説明できるかで選ぶ
AI面接を社内で通すとき、最後に聞かれるのは「AIは何を見て、この点数を付けたのか」です。選ぶ段階で見ておきたいのは、採点の仕組みを説明できるサービスかどうかです。以下では、そのための4つの問いと、Proomiの答えを示します。
なぜ採点の仕組みか
AIの採点を、社内で説明できますか
点数の理由に答えられないまま導入すると、点数をどう扱えばよいかが決まらず、結局は人が面接をやり直すことになりかねません。
総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン」(第1.2版、2026年3月)は、AIに判断を任せきりにせず、適切な場面で人の判断を挟むことを求め、AIを使っているという事実を関わる人に伝えることも挙げています。個人情報保護委員会も、本人に関する行動や関心などを分析する処理(いわゆるプロファイリング)を行う場合は、分析することも含めて利用目的を特定するよう求めています。面接の記録をAIで評価する場合にも、参考になる考え方です。
どちらも、AIが何をしているのかを企業自身が説明できることを前提にしています。海外には、採点の仕組みを説明する文書を公開しているAI面接の会社もあります。国内でサービスを選ぶときにも、同じことを尋ねてよいはずです。
出典:総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」2026年3月 https://www.soumu.go.jp/main_content/001064279.pdf、個人情報保護委員会「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」Q2-1 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/APPI_QA/
問い1
何を読んで採点するか
最初の問いは、AIが候補者の何を材料にしているかです。発言の内容だけなのか、表情や声の調子まで含むのかで、点数の理由を言葉にできるかどうかが大きく変わります。
Proomiは、候補者の発言を文字に起こし、その文字起こしを読んで採点します。面談の要約を作ってから採点する形はとらず、採点は文字起こしから直接行います。表情や声の調子、話す速さは採点に使いません。
表情から感情を読み取ることについては、研究の側から疑問が出ています。Barrett氏らは2019年の論文で、同じ感情でも人によって表情が違い、同じ表情でも場面によって意味が変わることを、多くの研究をもとに示しました。EUのAI法も、職場で人の感情を推定するAIの使用を禁じていて、EUが2025年に公表した指針は、採用の選考を受ける候補者もこの職場に含めています。
発言の内容だけを材料にしていれば、なぜその点数になったのかを、候補者が実際に話した言葉で説明できます。
出典:Barrett, L. F., Adolphs, R., Marsella, S., Martinez, A. M., & Pollak, S. D. (2019). Emotional expressions reconsidered: Challenges to inferring emotion from human facial movements. Psychological Science in the Public Interest, 20(1), 1–68. https://doi.org/10.1177/1529100619832930、Regulation (EU) 2024/1689(AI法)第5条第1項(f) https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2024/1689/oj、European Commission「Guidelines on prohibited artificial intelligence practices established by Regulation (EU) 2024/1689 (AI Act)」2025年2月、第254段落 https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/library/commission-publishes-guidelines-prohibited-artificial-intelligence-ai-practices-defined-ai-act
問い2
何を基準に点を付けるか
次は、AIがどの基準で点を付けているかです。基準をサービス側が用意している場合、その中身を企業が自分の言葉で語るのは難しくなります。
Proomiでは、評価軸を自社の言葉で書きます。用意された項目から選ぶ形ではありません。評価軸の名前だけでなく、何点がどんな回答なのかという段階の定義まで書けます。
段階の定義は、「できている人の言動」と「できていない人の言動」を対にして書くと、AIにも人の面接官にも伝わりやすくなります。例を挙げます。
評価軸「課題を見つける力」の段階の書き方(説明のための例)
- 5点誰にも言われていない問題に自分で気づき、原因を確かめてから手を打った経験を、具体的な場面で話せる
- 3点与えられた課題について、原因の候補を挙げて取り組んだ経験を話せる
- 1点課題を尋ねられても、起きた出来事の説明にとどまり、何が問題だったかを言葉にできない
「主体性が高い」のように印象だけで書かれた評価軸では、AIも面接官も無難な中間の点を選びがちです。ペルソナで面接をシミュレーションした別の記事では、各段階の定義を加えた評価軸に書き換えると、同じ回答でも候補者の間の差が開きました。詳しくは「評価軸を書き換えたら、過去の面接で試せる」で紹介しています。
問い3
根拠がないときどうなるか
3つ目は、候補者が評価軸に関わることを話さなかったときの扱いです。そこで推測の点を付けてしまうと、点数が何を表しているのかが分からなくなります。
Proomiは、評価軸ごとに点数と理由を書き、根拠になった発言を引用して残します。発言の中に根拠が見つからない評価軸は、推測で点を付けず、「判断材料なし」として記録することができます。
「判断材料なし」は、候補者の評価が低いという意味ではありません。その評価軸を確かめる質問が、面接の中で足りなかったというサインです。同じ評価軸で判断材料なしが続くようなら、質問を足すか、評価軸の書き方を見直します。質問の足し方は「人事評価の項目は、そのまま採用の評価軸に使える」で、点数の偏りの読み方は「評価軸の数は、判断材料の数ではない」で扱っています。
根拠を発言に結びつけて残す仕組みは、候補者への説明にも使えるものです。Proomiでは本人向けのフィードバックを候補者に送ることができ、初期設定では合否や点数を含めず、面接で話した内容のどこに強みが表れていたかを、本人の発言に沿って伝えます。利用企業がフィードバックを送るかどうか、また、その内容を決められます。
問い4
点数を、人が判断に使える形で出しているか
最後は、AIの点数が、人の判断にそのまま使える形で出てくるかです。点数だけが返ってくると、その点数で次の選考に進めてよいのかを、担当者が一から確かめ直すことになります。
Proomiは、総合点と評価軸ごとの点数に、その理由と、根拠になった発言の引用を付けて出し、録画と文字起こしも同じ画面から確かめられます。点数の高い候補者をそのまま次の面談に進める場合も、気になる候補者だけ記録を読み直す場合も、判断の理由を候補者の発言で示せます。
合格・不合格を記録するのは採用担当者で、どの点数から次の選考に進めるかといった線引きは、企業ごとの採用の考え方に合わせて決められます。
記録を生かす
記録が残れば、基準をあとから確かめられる
採点の仕組みが見えるサービスでは、記録がそのまま次の改善の材料になります。
評価軸を書き換えたときは、過去の面接を新しい評価軸で採点し直して、点数がどう変わるかを試せます。この作業は当社が一緒に進められます。
合否や入社後の定着と照らし合わせれば、どの評価軸が実際の判断や活躍と結びついていたかも分かります。進め方は「面接の評価が正しかったかは、入社後にしか分からない」にまとめています。
比較のポイント
サービスを選ぶときに尋ねる4つの問い
この4つに答えられるサービスなら、導入したあとも、点数の意味を社内で説明できます。
01
何を読んで採点しますか
表情や声まで使うのか、発言の内容だけなのかを確かめます。
02
評価軸と段階の定義を、自社の言葉で書けますか
用意された項目から選ぶだけでは、基準の中身を自社で語れません。
03
根拠がないとき、点数はどうなりますか
推測の点が混ざると、どの評価軸で質問が足りないのかが見えなくなります。
04
点数の理由と根拠まで出ますか
理由と根拠の発言が付いていれば、点数をそのまま判断に使えます。
Q&A
よくある質問
表情や声のトーンは評価に使いますか
使いません。採点に使うのは、候補者の発言の文字起こしです。録画は残るので、採用担当者があとから見返すことはできます。
評価軸と段階の定義は、どこまで自社で書けますか
評価軸の名前も、各段階の定義も自由に書けて、人事評価で使っている項目や定義をそのまま使うこともできます。まだ決まっていない場合は、いまの評価シートを材料に、当社と一緒に作れます。
AIの点数を、次の選考に進めるかどうかの判断に使えますか
使えます。総合点と評価軸ごとの点数に理由と根拠の発言が付いているので、点数をもとに次の面談に進める人を決められます。合格・不合格の記録は採用担当者が行います。
関連ページ
場面ごとの使い方
採点の仕組みを確かめたら、次はサービスの選び方と、場面ごとの使い方を読んでください。
いまの評価軸を、一度そのまま見せてください
お使いの評価シートを、Proomiの評価軸に置き換えるとどう書けるかをご説明します。無料・約30分。