
コラム
AI面接の質問設計と、面接官の振る舞い
AI面接への不満は、同じ質問の繰り返しや、話の途中での切り替えなど、会話の進み方に集まる傾向があります。質問とAI面接官の振る舞いを、面接の記録を見ながらあわせて直していく方法を整理しました。
はじめに
この記事で扱うこと
AI面接について公開されている調査を読むと、候補者の不満は「同じ質問を何度もされた」「話の途中で次の質問に移られた」「手応えが分からない」といった声として表れています。不満の多くは、質問の内容そのものより、会話の進み方に向いているように見えます。会話の進み方には、質問の組み立てだけでなく、AI面接官の進め方や、会話中の反応のしかた、見た目と声、面接の前後の情報も関わる、というのが当社の考えです。本記事では、これら5つの設計要素と、面接の記録を見ながら質問とAI面接官の設定を直していく進め方、そしてProomiで質問や設定を見直す3つの方法(利用企業が管理画面で自分で見直す方法、プランスの運用レビューをもとに見直す方法、プランスと一緒にさらに細かく調整する方法)をまとめます。
要点
この記事の要点
- 公開されている調査では、AI面接への不満として、「同じ質問を何度もされた」「話の途中で次の質問に移られた」「手応えが分からない」「どう評価されているか分からない」といった声が挙がっている
- こうした声には、質問の組み立て、AI面接官の進め方、会話中の反応のしかた、見た目と声、面接の前後の情報という5つの設計要素が関わると考えられる
- 同じ声が出ても、理由が質問にあるのか、AI面接官の振る舞いにあるのかは、面接の記録を読まないと分からない。質問とAI面接官の設定は、記録を見ながらあわせて直すのがよい
- Proomiでは、質問と評価の基準のほか、アバター、面接前の説明、候補者へのフィードバックなどを、利用企業が管理画面で自分で見直せる。グロースプランからは運用レビューも付く。さらに細かい調整は、プランスが個別に対応できる
- 調整しても、AI面接官が話を遮ったり、同じ質問を繰り返したりすることがなくなるとは言えない。結果は、面接の記録で確かめる
候補者の声
候補者は、何に不満や不安を感じているのか
AI面接を受けた候補者は、何に不満や不安を感じているのでしょうか。公開されている調査には、次のような声があります。
- Preferred Networksが2026年9月に発表した、27年卒の就活生308人の調査では、AI面接の結果に納得した受検者が51.0%でした。納得していない受検者の声には、「同じ質問を何度もされた」「話の途中で次の質問に移られた」がありました。
- レバレジーズが2026年5月に発表した、27〜29年卒の学生328人の調査では、AI面接をネガティブに感じる理由の上位に、「熱意や人柄が正確に伝わらなそう」「面接官のリアクションがないため、手応えが分からず話しづらい」「どのように評価されているか不透明」が挙がりました。
2つの調査で挙がった声は、どちらも会話の進み方と評価の見え方に関するものです。なお、調査はいずれもAI面接を提供する会社が行ったもので、見た目や声の影響だけを取り出して測ったものではありません。調査の条件を踏まえても、質問の内容だけでなく、会話の進み方や評価の見え方が、候補者の受け止め方に関わっていることはうかがえます。
設計要素
候補者の体験を形づくる、AI面接の設計要素
AI面接での候補者の体験は、次の5つの設計要素の組み合わせで形づくられます。
01
質問の組み立て
設計要素 聞く内容、順番、量
候補者の体験への影響 質問が重なると、同じことを何度も聞かれたと感じます。量が多いと、負担に感じます。
02
AI面接官の進め方
設計要素 深掘りの程度、言い回し、会話のテンポ
候補者の体験への影響 話をきちんと聞いてもらえている、という感覚に影響します。
03
会話中の反応のしかた
設計要素 候補者が話している間と話し終えたあとに、AI面接官が反応するタイミング
候補者の体験への影響 話の途中で遮られたと感じるか、間が空きすぎて不安になるかが分かれます。
04
見た目と声
設計要素 AI面接官の見せ方と、話しぶり
候補者の体験への影響 見た目と声によって、候補者が話しやすいと感じるか、緊張しやすいかが変わります。
05
面接の前後の情報
設計要素 面接の前の説明と、面接のあとに候補者へ伝える内容
候補者の体験への影響 面接の目的や評価のされ方が分かるかどうかが、納得感に影響します。
5つの設計要素のうち、質問の組み立ては、利用企業の担当者が自分で見直せます。ほかの要素にも、利用企業が管理画面で設定できるものと、プランスと一緒に調整するものがあり、分担は後の章で説明します。
直し方
質問設計と振る舞いは、あわせて直す
たとえば、候補者から「同じ質問を何度もされた」という声が出たとします。理由は、次のようにいくつか考えられます。
01
質問の組み立て
似た内容の質問が、別の言い方で並んでいる
02
AI面接官の進め方
深掘りが強く、答えた内容を、もう一度聞き返している
03
会話中の反応のしかた
候補者の話が途中で切れ、聞き直しになっている
どの理由なのかは、候補者の声だけでは分からず、面接の記録を読んで初めて分かります。理由が違えば、手を入れる場所も違うはずです。質問を直せば、深掘りの程度や面接の長さが変わり、それに合う進め方も変わります。逆に、進め方を直すと、質問の並びの見え方が変わります。質問とAI面接官の設定を別々に直すと、片方を直しても、もう片方の影響で効果が出ないことがあるのは、そのためです。
質問とAI面接官の設定は互いに影響し合うため、次の流れで両方をあわせて直していくことをおすすめします。
始める
質問とAI面接官の設定を決める
試す
少ない人数で、実際に面接を行う
読む
面接の記録(文字起こし、録画、候補者へのアンケート)を読む
直す
気になった点の理由を記録で調べ、質問とAI面接官の設定をあわせて直す
見る
直したあと、同じ点を記録でもう一度読み、よくなったかを見る
運用しながら、試す・読む・直す・見るを繰り返します
記録を読んで直す作業は一度で終わらせず、運用のあいだ続けることで、質問とAI面接官の設定を、利用企業の職種と候補者に合う形に近づけていきます。
見直し方
質問や設定を、誰がどう見直すか
Proomiでは、質問や面接設定を利用企業が管理画面から自分で見直せるほか、グロースプランからは、プランスがまとめる運用レビューをもとに見直すこともできます。さらに細かな調整が必要なときは、プランスがお手伝いします。
01
利用企業が管理画面で自分で見直す
利用企業の担当者が、質問と評価の基準(各段階の定義)のほか、アバターの使い方、面接前の説明、候補者へのフィードバックを送るかどうかなどを、管理画面で自分で設定し直します。
02
運用レビューをもとに見直す
グロースプランから、プランスが面接の件数や点数のばらつきなどをまとめた資料(運用レビュー)を、定期的に利用企業へ渡します。専任の担当者もつきます。利用企業の担当者が、その資料を見て、質問と評価の基準を見直します。
03
プランスと一緒に、さらに細かく調整する
AI面接官の進め方や、会話中の反応のしかたなど、利用企業の画面からは変えられない部分を、プランスの担当者が、利用企業の担当者と面接の記録を一緒に読みながら調整します。個別対応のため、別途お見積りします。
多くの場合は、管理画面での見直しと、運用レビューをもとにした見直しで足ります。プランスと一緒にさらに細かく調整する方法は、記録を読んでもなお直したい点が残るときに使います。
理由
なぜ、さらに細かい調整は、記録を見ながらプランスと一緒に行うのか
AI面接官の進め方や、会話中の反応のしかたの調整は、設定画面で数字を1つ変えれば終わる、という種類の作業ではないと考えています。理由は3つあります。
1つ目は、面接の記録を読まないと、うまくいっているか分からないからです。 同じ質問が繰り返されたのか、候補者の話が途中で切れたのかは、文字起こしや録画を見なければ分かりません。候補者の話し方や通信の状態によって、AI面接官が発言にどの程度反応するとちょうどよいかも変わります。調整の作業では、プランスの担当者が記録を読んで設定を直し、直したあとの記録をまた読む、という手順を何回か繰り返します。
2つ目は、直す基準が、利用企業の担当者の経験にあるからです。 「この職種では、もう少し深く聞きたい」「この質問は、1回で十分」といった判断は、担当者が経験の中で身につけたもので、多くは言葉になっていない暗黙知です。担当者の暗黙知を、質問やAI面接官への指示という言葉に直す作業を、プランスが一緒に行います。
3つ目は、設定を途中で変えると、候補者の面接の条件がそろわなくなるからです。 同じ募集の途中で設定を変えると、変更の前の候補者と後の候補者で面接の条件が変わってしまうため、変えるときは変更した日付と内容を残し、前と後を分けて記録を見ます。利用企業の画面から変えられない設定の変更は、当社の担当者が行います。
確かめ方
調整した結果を、どう確かめるか
調整の結果は、面接の記録で確かめます。
- 文字起こしで、同じ質問が繰り返されていないか、話の途中で次の質問に移っていないかを読む
- 録画で、候補者が話し終えるのを待っているかを見る
- 受けた人に、短いアンケートで、感想を聞く
調整しても、AI面接官が話を遮ったり、同じ質問を繰り返したりすることがなくなるとは限りません。AI面接官の振る舞いは、面接の記録で確かめながら少しずつ調整していきます。導入の最初は対象を広げず、応募の多い一次面接の一部の職種で、既存の面接と並行して試すことをおすすめします。
選ぶとき
AI面接を選ぶときは、振る舞いの調整と支援の範囲を確かめる
AI面接のサービスを選ぶときは、質問や評価の基準の設定のしやすさに加えて、候補者の体験に関わる点の扱いも確かめておくことをおすすめします。サービスによって、振る舞いが固定の仕様の場合もあれば、調整できる場合もあり、導入後の支援の範囲も大きく違います。
- AI面接官の進め方(深掘りの程度、言い回し)を、企業ごとに調整できるか。調整できる範囲はどこまでか
- 会話中の反応のしかた、見た目、声などを、調整できるか。固定の仕様なら、どう動くのか
- 調整は誰が行うのか。利用企業が画面から変えるのか、サービスの提供会社が行うのか
- 導入後に、提供会社が面接の記録を一緒に読み、質問や設定を直す手伝いをしてくれるか。その範囲と費用はどうなっているか
Q&A
よくある質問
利用企業が自分で設定を変えられますか。
質問と評価の基準のほか、アバターの使い方、面接前の説明、候補者へのフィードバックを送るかどうかは、利用企業の担当者が管理画面で自分で設定できます。グロースプランからは、プランスが面接の件数や点数のばらつきなどをまとめた運用レビューも渡します。AI面接官の進め方や、会話中の反応のしかたなどは、プランスの担当者が一緒に調整します(別途お見積り)。内容のご相談は、お問い合わせフォームからどうぞ。
質問を整えるだけでは足りませんか。
理由が質問の組み立てにある場合は、質問を直すだけで改善することもあります。ただ、会話の進み方、見た目と声、面接の前後の情報に理由があることもあるので、記録を読んで理由を確かめてから直すことをおすすめします。
候補者にフィードバックは送れますか。
送れます。送るかどうかは、利用企業の管理者が募集(ルーム)ごとの設定で決めるもので、送る場合に何を伝えるかは、利用企業の方針に合わせて当社の担当者が一緒に調整します。
アバターは必須ですか。
必須ではありません。募集(ルーム)ごとに、使うかどうかと、どのアバターを使うかを選べます。アバターを使わない場合も、面接は行えます。
調整すると、候補者どうしで条件が変わりませんか。
同じ募集の途中で設定を変えると、変更の前と後の候補者で面接の条件が変わります。設定を変えるときは、変更の日付と内容を残して、変更の前と後を分けて記録を見ることをおすすめします。
出典:Preferred Networks「内定式を前に27年卒の就活生308名に聞いた「就職活動におけるAI面接の実態調査」速報」2026年9月30日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000156310.html、レバレジーズ(NALYSYS)の27〜29年卒328人調査 2026年5月26日発表(マイナビニュース 2026年5月27日 https://news.mynavi.jp/article/20260527-4510634/)
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